瀬戸内海にそびえ立つ大鳥居、宮島
日本三景の一つに数えられる、安芸の宮島こと厳島(いつくしま)。宮城の松島、京都の天橋立に並ぶ日本屈指の名所です。1996年には世界文化遺産にも登録されています。
宮島と厳島神社
宮島は厳島とも呼ばれます。厳島は「神に斎(いつ)く」、つまり神に仕える、という語源から発生した地名です。その名が表す通り、古来から島そのものが信仰の対象となってきました。そんな宮島または厳島に建造された厳島神社は、推古天皇の時代に社殿が建造されたと言われています。特に、平安時代後期には平清盛が信仰し、安芸国守として寝殿造りの様式を取り入れ、現在の規模に造営されたことで厳島信仰は広がりました。その後、鎌倉時代から江戸時代まで、宮島全体を神が住む神聖な島として農耕を禁じられたので、手つかずのまま保存されました。まるで海に浮かぶように見える神秘的かつ歴史ある建築物は外国人観光客にも人気です。
厳島神社のシンボル大鳥居
厳島神社の象徴とも言うべき大鳥居は、境内の沖合約200mの所に立っています。その高さは16.59m。左右の柱の間は10.85m。総重量はおよそ60tもあります。満潮時には昔ながらの小舟に乗って鳥居くぐり(櫓櫂船-ろかいぶね)ができます。そして干潮時には、鳥居の下まで歩いていくことができます。日によりますが、うまくすれば満潮、干潮の両方を体験できるかもしれません。満潮干潮の時刻は宮島観光協会の年間汐潮表で確認できます。事前にチェックしていくと良いでしょう。大鳥居は大きさもさることながら、注目すべきはその形です。鳥居の上、横に渡されている柱の部分は屋根のようになり、その下は箱型で玉石がぎっしり詰められています。これは鳥居を重くし浮かないようにするための工夫です。ところが足元は海底深くまで柱をがっちりと埋め込んでいるわけではなく、ただ置いているだけなのです。ですから、満潮時や荒波のときには浮くことがあります。厳島神社を訪れた際には、ぜひご自身の目で確かめてみてください。